神戸に春を呼ぶ郷土料理「イカナゴのくぎ煮」とは?

地方によってさまざまな名前で親しまれている『イカナゴ』。

神戸の周辺では春の訪れを感じる料理として、
イカナゴのくぎ煮を多くの家庭で作ったり買ったりして食べているようです。

イカナゴはこのほかにも『魚醤』に加工されることもあり、
これは香川県で広く流通しています。

ここでは、イカナゴの特徴や家庭で簡単に作れる
くぎ煮のレシピをご紹介していきたいと思います。


地域によってさまざまな呼び名がある魚『イカナゴ』

『イカナゴ』はスズキ目ワニギス亜目イカナゴ科に属する魚類です。

地方によってさまざまな呼び名が存在していて、
稚魚に関しては東日本で『コウナゴ(小女子)』、
西日本で『シンコ(新子)』と呼ばれます。

また、成長したものについては北海道において『オオナゴ(大女子)』、
東北で『メロウド(女郎人)』、西日本では『フルセ(古背)』や『カマスゴ(加末須古)』、
『カナギ(金釘)』と呼ばれています。

いわしなどと並んで沿岸における
食物連鎖の底辺を支える重要な魚であると言われています。

イカナゴは北半球の寒帯域から温帯域を中心に熱帯域まで、
世界中にさまざまな種類が分布しています。

日本のイカナゴはあまり移動しないため、
小さく各地に固有の系統群が存在しています。

また、北方系の魚であるため
温暖な水域では夏場に砂に潜って『夏眠』を行います。

1歳で10cm程度まで成長し、
3年から4年で20cm程度まで成長します。


イカナゴの有名な調理法は『くぎ煮』と『イカナゴ醤油』

続いては、イカナゴの利用方法について主なものを2つご紹介します。

まずは『イカナゴのくぎ煮』です。

これは兵庫県の淡路島や播磨地区から神戸市にかけての瀬戸内海東部沿岸部で親しまれている郷土料理であり、佃煮のひとつとして数えられます。


kugini


水揚げされたイカナゴを、しょうゆやみりん、砂糖やしょうがなどの調味料を用いて平釜で水分がなくなるまで煮込んで作ります。

この際に、箸などでかき混ぜてしまうとイカナゴが崩れて団子状に固まってしまうため、
一切かき混ぜずに作るのが特徴です。

炊き上がったイカナゴは茶色く曲がっていて、
その姿が錆びたくぎに見えることから『くぎ煮』と呼ばれるようになりました。

阪神地区や東播磨地区においては春先になると
各家庭でイカナゴを炊く光景が見られます。

また、毎年3月末ごろには出荷されたくぎ煮が地域内のスーパーに山積みされ、
春の訪れとして消費が活発になります。

高速道路のサービスエリアや駅、空港などの土産物店でもイカナゴのくぎ煮は販売されており、スタンダードなしょうが味のほかに山椒味や唐辛子味のものも並んでいます。


続いてご紹介するのが『イカナゴ醤油』と呼ばれるものです。

香川県で盛んに生産されている、
イカナゴを原材料とした魚醤のことです。

かつては、秋田名物で主にハタハタから作られる『しょっつる』や、
能登半島で作られるイカやいわしの内臓や骨などを塩漬けして発酵させた『いしる』とともに『日本三大魚醤』と呼ばれていました。

1950年代にその伝統が一度途絶えてしまいましたが、
近年では少量ながらも復活生産されるようになりました。

また、香川県以外では兵庫県明石市の西海酒造がイカナゴ醤油を製造しています。


料理初心者でも簡単!イカナゴのくぎ煮を作ってみよう

それでは最後に、イカナゴのくぎ煮のレシピについてご紹介していきたいと思います。

【注意点】
・イカナゴは買ったその日に調理する。
・調味料を切らしてないか確認する。(特に『ざらめ』)
・イカナゴを煮ている間は絶対にかき回さない。

【材料】
・イカナゴ 1kg(家庭で作るには、2kgくらいまでが限度)
・醤油 200ml
・酒 100ml
・みりん 100ml~150ml
・ざらめ(中ざら糖) 200g~300g
・しょうが 30g~60g

【作り方】
■(1)しょうがを皮付きのまま千切りにする。
■(2)大きくて幅が広い鍋にイカナゴ以外の材料を入れ、沸騰させる。
  ざらめは溶けにくいので、箸などでかき混ぜてよく溶かす。

■(3)煮汁を温めている間に買ってきたイカナゴを手で優しく洗い、
  ざるに上げて水をよく切る。

■(4)煮汁が沸騰したら、イカナゴを投入し、
  落し蓋(アルミホイルでも可)をしてアクを取りながら強火で煮る。
  鍋が小さい場合は、吹きこぼれるのを恐れて弱火にするより、
  落し蓋なしで強火で煮た方が好ましい。

■(5)煮立てている間、泡にイカナゴの表面全体が
  包まれていることを確認する。

■(6)泡が収まってきたら、落し蓋を取って火を弱め、
  煮汁がなくなる寸前まで煮詰める。

■(7)できるだけ平たい大きなざるなどに広げて、
  汁を切りながら冷ます。

■(8)照りのあるくぎ煮に仕上げたいときは、
  団扇であおいで冷ます。


くぎ煮は味付けが濃いので冷蔵庫で日持ちします。
長期保存する場合は冷凍庫に入れ、冷蔵庫解凍か自然解凍をして食べましょう。

そのまま食べたりご飯に載せたりするのはもちろん、
お茶漬けにしたりチャーハンに入れたりして食べるのもオススメです。

春の訪れを告げるイカナゴをスーパーや魚屋で見かけたら
ぜひ作ってみてくださいね!



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